鬼のいる寺で豆まき 最強の鬼

今日は節分。光世という名前を付けてくれたお寺で、恒例の豆まきがある。母は毎年、裃姿の「年男年女」がまく豆をもらってくる。久しぶりに母を誘って行ってみようと思ったら、今年は節分ということを忘れて、叔母と買い物の約束をしたという。別の日にすれば? と言ってみたが、ダメだという。

この寺の豆まきには、有名人が来ることもあった。母は北島三郎の大ファンだ。「今年はサブちゃんが豆をまくらしいよ」と口から出まかせを言ってみる。サブちゃんなら、心が動くかもしれない。
母はすかさず、答える。「北島三郎、今、病気だよ」。
やはり、母は一枚上手(うわて)であった。
(サブちゃん、ホントに病気かな?)
仕方なく、カメラを手にひとりで出かける。

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この寺の祖師堂は、鬼に守られている。鬼も法華経によって改心したということで、豆まきで「鬼は外」とは言わないという。
待っている間、隣にいたおばさんが私を見て、「あなた、袋、何も持ってきてないの? じゃ、これあげるわ」とバッグからきちんと三角に畳んだビニール袋を取り出し、自分のバッグの一方の取っ手だけを握って見せ、「こうやってちゃんと広げて、すぐに豆を入れられるように準備しときなさい」と教えてくれる。「ぶつかったら危ないから、カメラ、閉まっときなさい。写真なんて撮ってるひまないわよ」
お堂の上から裃姿の年男年女が豆をまき始めたとたん、その下を埋め尽くした人たちが、相手を突き飛ばし、すでに誰かが手にした豆の袋をもぎり取り、地面に這いつくばり、ものすごい勢いで、血眼になって豆を奪い合う。
前にいた40代くらいの女性が、警備員に向かって、「押すのやめるように言ってください! お願いします! お願いします!」と叫んでいる。隣のおばさんにも、つき飛ばされ、豆を奪われ、押しつぶされそうになり、5分で豆まきが終了したときには、息が上がっていた。
このお寺で、「鬼は外」とは言わない…?
たしかに鬼がいっぱいいましたよ~(涙)。

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村上隆の五百羅漢図展より(森美術館)

……そして、豆まきの収穫。25袋! でかした!と帰ってきた夫にほめられた。

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踏みつけられ、中身が出ているものあり。

じつは最強の鬼は私だった。

お寺で友達になったおじいちゃんなどにもお裾分け。

今年は申年。今日は立春。豆を年の数だけ食べて、Have a wonderful (wonder-full) day!

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