パリのボージュ広場のそばで、夫が地図を見ていたら、What are you looking for? (何を探しているの?)とこの女性が話しかけてきた。
わかりますから大丈夫です、と私が言おうとしたのだが、その女性は笑顔で私たちを見ているので、教えてもらうことにした。
私たちが日本人と知ると、「私は中国語は勉強したけど、日本語は知らないの。北京…上海なんとかチョンホンヒー」とか何とか中国語で話し始め、バッグから手帳を取り出すと、「雷碧安」と書かれた文字を指差し、「これが私の中国語の名前よ」という。
「雷」と「青」と「安らぎですね」と私たちが日本語での意味を伝えると、「安」は「Cheap(安っぽい)という意味もあるんだよ」などと夫が余計なことを付け加える。
「そうなの…?」
笑ってはいるものの、女性の顔にやや陰りが見えた気がした。
「ったく余計なことを…。傷ついちゃうよ」。私は夫に蹴りを入れたかったけれど、それはやめておいた。
女性は気持ちを入れ替え(?)ると、「I love Haruki Murakami!」と叫び、ほかにも作家を思い出そうとしていたけれど、「ん、忘れた!」とつぶやく。
ちょうど後ろにレモンイエローの車が止まっていたので、写真を撮ってもいいですか、と聞くと、ちょっとはにかみながら、「あら、そう? 」とポーズした。
それをずっとそばで眺めていた見知らぬ女性の話は、また次にーー。
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