前に被災した人から「被災地に千羽鶴はいらなかった」という声が上がり、それに対して反感を覚える人たちがいます。
「大量に送られた千羽鶴を処分するのに、膨大な費用がかかる」「被災直後に必要なのは、千羽鶴ではない。送る側の自己満足に過ぎない」「善意の押し売りだ」「お札で千羽鶴を折ったら?」。
「時間をかけて折り、送った人の気持ちを考えたら?」「邪魔かもしれないけれど、要らないなどと言うべき?」。
千羽鶴はいらない、と声をあげたのは、以前の震災経験者なのに、熊本の人たちを「傲慢だ」「もう支援する気になれない」などと批判する人たちも現れました。
難しい問題ですね。緊急時に相手が何を必要としているのか。自分だったら、何をしてほしいのか。確かに被災直後に切実にほしいのは、千羽鶴ではないのでしょう。
でも善意で送られてきた食糧やトイレットペーパーなど多くの支援物資も、被災地で仕分けなどの作業に手間取り、その手間で逆に物資が行き渡らないといったことも起きているのですね。
本当に一つひとつ祈りを込めて千羽鶴を折った人たちは、「気持ちは有り難いけれど…」という声を素直に受け止めることができるのではないでしょうか。
東日本、熊本と、今も多くの人たちが不安にさいなまれ苦しんでいるなか、私たち日本人は、心をひとつにして前に進んでいきたいですね。
写真は9・11の一年後、グラウンドゼロに飾られていた千羽鶴です。きっと日本人が一つひとつ、心を込めて折ったものなのでしょう。
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