ブルックリン行きの地下鉄で

サーカスを観るために、ブルックリン行きの地下鉄に乗っていた。3席ほど離れたところにすわっている男性が、立ち上がって、私に声をかけている。

「席を替わるから、ここにすわれ」と言っているようだ(また、どうして私なの? 本当によく席を譲られる!)。

彼の目の前には老夫婦が立っているではないか。

「ありがとう。でも、私じゃなくて、この人たちがすわるべきでしょう」と私が高齢のふたりにすわるように促す。4人で目を合わせて、笑う。

「どうぞ、すわって」とそばにいる高齢の男性のほうに私が声をかける。

「いいのかい? じゃあ、そうさせてもらうよ」と彼がすわる。

別の人も立ち上がり、老夫婦はふたりともすわった。ふたりが席を詰めてくれ、「君は小さいから、一緒にここにすわれるよ。ほら、おいで」と高齢の男性が私に声をかける。
「ねえ、どうして、私に席を譲ってくれたわけ?」と、最初に声をかけてくれた男性に聞いてみる。
「女性…子ども…。だから僕は、席を譲るんだよ」
「はい?!? 私は子どもじゃないですよ!!」
…男性はちょっと困っている。
「…でも、君は女性だろ?」
「ま、そうだけど」
「だったら、すわればいいんだよ」
でも、あなたの目の前にはおばあちゃんが立っていたじゃないの…。どうして私なの?
「私は日本人なんだけど、日本で席を替わってもらったことは、一度もないのよ」
私がそう言うと、みんなが驚く。
「ええ、そうなのかい? 日本人はみんな礼儀正しい人たちなんじゃないのかい?」
席を替わってくれた男性は、私より10歳も若かった。彼のお陰で、高齢の夫婦が降りるまで、4人でおしゃべりが弾む。NYのこのカジュアルさが、私は本当に好き。
続きはまた、次回に。もう夜中の1時半過ぎ。おやすみなさい…Zzzzzz。

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