前回、ミラノの大聖堂前の広場を、空に向かって飛ぶ鳩の写真をアップした。
2年前にミラノを旅した直後に、たまたま、ミラノ出身の女性、ロベルタと東京で知り合った。下北沢のカジュアルなイタリアン・レストランで、ウエイトレスとして働いていた。
そのときに、ロベルタが私に話してくれたことを、エッセイにまとめ、新刊の最後に収めた。ミラノの地下鉄でのほんの一瞬の、ほんのささやかなできごとだ。それが、ロベルタの人生を変えた。
ロベルタが出会った、日本人らしきおばあさんは、まさか自分がそんな影響を与えたなんて、夢にも思っていないだろう。
今日は新年2日目。初詣や買い物に行く人々の表情も明るい。そんななか、電車に乗っていると、人身事故のニュースが流れた。
もしも、見知らぬだれかでもいい。その人に温かくほほ笑みかける人がいたら、もしかしたら、あるいは、命を絶つのを思いとどまったかもしれない。そんなことを、ふと思った。
私はロベルタの話がとても好きで、12月14日の講演会でも、最初はこのエッセイを朗読しようと思っていた。ぜひ、読んでほしい。
Photo:ファッションの街ミラノのショーウィンドー @Milan, Italy
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