船上で誕生日を祝ってもらう

ヨットで光世の誕生日を祝いたいーー。一か月ほど前に夫がヨットの主で、私たちの高校時代の友人、大沢クンに相談したらしい。誕生日はちょうど土曜日、昨日だった。そんなことができたら夢のよう、だと思った。心やさしい大沢クンは、快諾してくれたようだ。夫のことだから、本当は、すべてをサプライズにしておきたかったようだけれど、ヨットに乗ることはどうしたって隠せないよね、と夫。

いつも私がとってもお世話になっている高校時代の大切な友人ふたり、敏也とやまちゃんがまだヨットに乗ったことがないのを知っていたので、ふたりを誘ったら、とても喜んでくれた。船上では大沢クンの片腕となって大活躍の、私たちの大好きなうっちも一緒に乗ってくれることになり、私は昨日をニューヨークにいる時からずっと楽しみにしてきた。

昨年、ヨットの清掃を手伝おうとして、ハシゴの一番上の3メートル以上の高さからコンクリートの地面に落っこちた私は、あれ以来、大沢クンに「みっちゃんはハシゴ3m以内には近寄らないように」と言われている。3m以内に近寄りはしたけれど、みんなの荷物を下でて渡したり、ホースを引っ張ってきたりと、その程度のシゴトしかさせてもらえない。

いよいよヨットに乗り込もうという時になって、その日の夕方、公開予定のトランプの記事で気になることがひとつあり、急遽、担当編集者(といっても社長だというのに…)にメッセージを送り、訂正をお願いし、電話もしたけれど、気づいてもらえない。みんなと一緒に仕方なくヨットに乗り込む(結局、あとで船上で「了解しました」の返事をもらい、ほっとする)。

帆をあげ、エンジンなしでヨットは沖に出ていく。ああ、なんて気持ちのいいこと。遥か向こうに富士山がうっすらと見えている。

早くビール! ビール! とうるさい夫(じつは私)のしつこさに負け、いよいよビール(飲めないうっちとやまちゃんはカルピス!)で乾杯。

大好きなジャンクフードのDoritos、 この日のためにアメリカからスーツケースに入れて持ってきた。意外にもやまちゃんもうっちもDoritosが大好きで、本当はみんなのために買ってきたのだけれど、私が大事に抱えていた。パクパクDoritosをやまちゃんとふたりで食べていたら、うっちが「そんなに食べていたら、ご飯が食べられなくなりますよ。3枚までにしなさい」とまるで“おかあさん”みたいな発言。そういううっちも、3枚以上、食べてたよな。

やがて湾に戻り、ヨットを固定する。仕事が終わってからうっちがふた晩かけて一生懸命に作ってくれた本格派タイ料理が、テーブルに並ぶ(うっちはタイ料理の教室を開いています。興味のある方はぜひこちらにコメントを!)ヨットで食べやすいチェンマイ料理。

うっちが教えてくれたアンチョコによると、「人参のソムタム、ナムプリックオーンとケープムー、パネーンガイ、一口サイズのカオニャオマモアン」。私たち夫婦もタイに行ったことがあるくせに、どれがどれだか、人参しかわからないけれど、サラダ、前菜、肉、デザートのフルコース!

グリーンの葉っぱの敷物までタイ風。揚げせんべいみたいなのは、豚の皮。香りも味もタイそのもので、ここはどこ? プーケット? という感じ。デザートの完熟マンゴとライスプディングまで、すべてとっても美味しい! 私もタイ料理、作れるようになるぞ!

と今度は、お重が入ってるような風呂敷が解かれ、やまちゃんお手製のチーズケーキが現れた。 ほかにもたっくさん荷物があったのに、これを大事に抱えてきてくれた。電車なのに! しかも、魔法シリーズのトレードマークのピンクで、誕生日のメッセージが書かれている。「おたんじょうひ」になっているのは、「び」の点々だったことにことに気づかず、「なんだろ、これ」と言ってピンクの点々をやまちゃんが食べてしまったから。

大学で教えているやまちゃん、仕事が(遊びも!)とっても忙しいのに。それなのに、「ねえ、お母さんが作ってくれたんでしょ〜」「ホントにチーズ入ってんの? スポンジケーキじゃないの〜」などとみんな好き勝手なことを言って(そういう失礼なこと言うの、夫と私、主に私ですけど)、でも本当に本人が作ってくれたようで、ケーキはしっとりしていて、ピンクのチョコまで美味しい!

そのうち、敏也がギターを手にヨットの下から現れ、チューニングを始めたかと思うと、明子ちゃんと一緒に、お祝いに歌ってくれた。ふたりの声は高音がとても美しく、息がぴったり合っている。「糸」は、あなたという縦糸と私という横糸が織るなす布…という心にしみる歌。「Top of the World」はこれを聴きながら英語を学んだ懐かしの曲。チューリップの「青春の影」も、よく聞いたなぁ。そして加山雄三の「君といつまでも」。「君といつまでも」は、夫の「幸せだな…」のせりふと私の即興のせりふ入り。あの歌は、大学時代に私たち夫婦が留学で一年間離れ離れになったときの思い出の歌なのだけれど、ふたりはそれを知っていたかな。

駅で待ち合わせした時、敏也が大きなマスクをしてやってきたのも、歌うまでお酒を控えていたのも、最高のコンディションで歌をプレゼントしてくれるためだった。敏也も仕事にボランティア活動に家族のことに、ととても忙しいのに、歌の練習のためにやまちゃんのうち(のそば?)まで出かけていって、わざわざ練習してくれたという。

歌が終わると、敏也は「やっと飲めるー!」とボトルをくわえて、残りのワインを飲み干していた! Yoshikiのワイン、ナパの新作、入手困難な品物を入手したと、うっちが持ってきてくれた。うっち、自分は飲まないのに、ありがとう❤️

私たち夫婦は、シャンパン(もどき? 夫によると、「イタリアのシャンパンと呼ばれるフランチャコルタ」とのこと)、イタリアンサラミ、チーズを持っていった。クラッカーは出し忘れー。

そして大会のためにこの前も福岡に行っていたというほど水泳が好きな敏也は、海に飛び込み、トビウオのように泳ぎ始める。「海って体が浮くんだな」としみじみ。いつもプールで泳いでいて、海は数十年ぶりというから、新鮮だったようだ。

海から上がったのは、午後4時。ヨットの清掃時に近寄ることを禁じられている私は、明子ちゃんと一緒にぼーっと湾を眺めながら、みんなを待っていた。ハーバーを出るときには、夕日が美しく輝いていた。

大沢クンは高校の頃、口を聞いたこともなかったけれど、10年ほど前だったか、当時の仲間たちと再会した時に話して以来、親しくしてくれている。そして、高校時代の仲間たちばかりだったのに、うっちも楽しい会話に加わり、一緒にお祝いしてくれて、ありがとう。お料理、大変だったでしょう。ヨットの操縦、写真撮影も、ありがとう。うっちのように大沢クンの片腕として、操縦できるようになりたい、と大沢クンに夢を語るも、「みっちゃんは才能ないから、黙ってすわっててくれれば、それでいいから」と一喝。テキパキと動くうっちに、いつも羨望の眼差しを向けるだけ。

才能にあふれ、笑顔がステキで愛らしいうっち。高校時代の大切な仲間たち。一生忘れない、愛に満ちあふれた誕生日のプレゼントを、心からありがとう。大沢クン、最高の会場を提供してくれて、本当にありがとう。

“船上で誕生日を祝ってもらう” への1件の返信

  1. happy birthday to mitsuyo ✨ 船上での誰も企画出来ないパーティを企画したご主人は流石、ミッツの最高のご主人!船上でみなの素敵な写真に立ちはだかるご主人の健康的なお腹がユーモラスで少しクスッとしたわ、益々のご活躍と健康を祈ります。上垣内

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