【ニューヨークで小籠包から学ぶ教訓】
計画を立てるのは大好きなのに、コツコツ毎日、というのがとっても苦手な私。ダーっと集中して仕上げてしまうほうが得意です。
何度かアップした大学時代のテニス部の先輩と、最初はステーキ食べ行こー! と言っていたのに、急遽、小籠包に変更。チャイナタウンにあるここジョーズシャンハイは混んでいるので、いつも相席(今調べてみたら、銀座、池袋だけでなく、大阪、仙台にも進出しているんですね。NY店はまったくオシャレじゃありません)。しかも観光客率が高い。前にすわっていたのは、米ノースキャロライナから観光に来ていた家族。「ホテルでここを教えてもらったんだ」とお父さん。
何を注文するか悩んでいるようで、私と目が合ったので、「ここでは小籠包を注文しなきゃ!」と私が提言する。早速、私たちの元に蟹肉入りとポークの小籠包が登場。「これよ」と私が指差す。
久しぶりだったので、食べ方を忘れた私。そのまま丸ごと、パクリと口に入れた。えー、ひと口で食べる?!と先輩。え、違いましたっけ?……と思ったとたん、く、く、口の中が、アッジッジッジ! 水水! と先輩が叫ぶものの、アッツイお茶しかない。目の前のアメリカ人家族が、ヒエーという顔で私を見て、目が合うと笑った。「光世、あの人たち、引いてるよ…」と先輩。先輩はちょっと噛んで皮を破り、汁をそっと吸って、上手に食べている。
女の子が私を見ている。
まあ、やってみてごらんなさい。ムズカシいんだよこれは、と心のなかで思う。「あなたたちが食べる時は、私が写真を撮るから!(アタシを笑ったもんね〜、とこれも密かに思う)」と言うと、女の子はキンチョー。
早速、運ばれた小籠包を見ながら、「私、お箸の使い方さえ知らないんだもん」と言いながら、私よりずっと上手に食べていたけれど、やっぱりアッジッジだったようで、未体験の隣のお父さん、恐怖の顔! でも、この家族、いつの間にか、ちゃんと水も頼んでる! 学んだね、アタシから。
そのあと、先輩とコーヒーを飲んだら、火傷で口の上の皮が剥がれ、そのあとも数日間、レモンでヒリヒリ、何を食べても飲んでもヒリヒリ、大変でした。
で、教訓? 学んだことを忘れないように、コツコツ続けることが大事。習い事でも執筆でも仕事でも。ということでまた計画を立てましたよー。
空腹すぎて先輩と私、すぐさま小籠包を口に運ぼうとして、慌てて写真を撮ったので、私の小籠包が邪魔! という写真でごめんなさい🙏 まさにこの小籠包で、私は火傷した!
ジョーズ・シャンハイを舞台にしたエッセイは、「ニューヨークの魔法」シリーズ(文春文庫、第1弾〜第8弾まで)にも登場します。世界一お節介で、図々しくて、孤独な人たち。でも、泣きたくなるほど、温かい。たった一度のあなたの人生を、もっと肩の力を抜いて生きていこう、と思うはず。どの話にもニューヨークでよく耳にする英語がちょっとだけ入っていて、ほっこりしながら英語も学べます。シリーズのどの本から読んでも楽しめます。シリーズはすべて、普通の文庫(紙)もKindleもあります。内容はAmazonでどうぞ。下のチラシをクリックすると、飛びます。