部屋のなかのお花見

強風のせいだろう。八重桜の大枝がへし折れ、通りの真ん中に直角に垂れていた。数日前、東京の自宅のすぐそばの川沿いでのこと。その大枝の先も折れた跡があり、折れた枝が脇にどけられていた。

水に挿してあげたいーー。みんなで楽しむべきものだから、後ろめたい気はしたけれど。そして人目も気になって躊躇したけれど、そのまま枯れてしまうのは忍びなく、家まで運ぶことにした。

枝の折れ口は10センチ以上の長さで、斜めに鋭かったので、うまく立たない。ノコギリで平らにし、ぐいと剣山に挿して何とか立ったけれど、ちょっとでもバランスを崩すと、すぐに倒れてしまうので、葉っぱもそのまんま。

切っている時に落ちてしまった花も、水に浮かべた。奥の左手に仏壇があり、お線香を上げに行くときに母が枝に触れて花びらが散ってしまったけれど、それもそのままにしてある。

さっき川沿いを見に行くと、直角に折れていた大枝は、ばっさりと切り取られていた。切り口がきれいだったから、きっと危ないからと、区の人が処分したのだろう。

川を歩く人たちがこの花を眺められなかった分、みなさんが眺めてあげてください。川沿いの桜はほとんど散っていたけれど、この花は今も元気に咲いています。

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