ドンは私を待たずに、自宅で息を引き取った。私が家に駆けつけたとき、ドンはもうそこにいなかった。ひと目、会いたかった。ハグしたかった。声をかけたかった。声を聞きたかった。あの豪快な笑いが聞きたかった。あと一日、いやあと数時間、早かったらーー。
ドンが亡くなる数日前に、電話で話せたことがせめてもの救いだった。でもでも、やっぱり、会いたかった。どうして待っていてくれなかったの、ドン。
自分を責める私に、彼の親しい友人が言った。
You were her in spirit.
君の心はここにあったよ。
彼が言った。ミツヨが会いにくるから、頑張って、と声をかけ続けたんだよ。ドンはうなずいていた。でも、ドンはもう、あの世に行く準備ができていたんだね。きっと。
ここに書けば、現実を受け入れなければならない気がして、書けなかった。皆さんが心配してくれたのに、ごめんなさい。ドンは17歳の青年だった時、硫黄島で日本兵を殺したことで、最後の最後まで苦しんでいた。だから日本人の皆さん、もう苦しまずに安らかに眠って、と「いいね」してあげてください。