木守り柿は秋の季語。収穫したあとの柿の木に、ひとつだけ実を残しておく。たくさん実をつけてくれてありがとう。来年もよろしくお願いしますね、という祈りか、鳥のために残しておくのか。柿には守り神が宿るので、木守り柿を残しておくともいわれる。
葉も実もなくなり、たったひとつの実が、私は柿の木ですよ、と静かに訴えているかのようにも見える。
その木守りが昨日まで確かにあったのに、今朝、写真を撮ろうと庭に出ていくと、なくなっていた。地面に落ちてはいないから、きっと鳥が食べたのだろう。
写真はこの年最後の、柿の木の恵みの朝食。熟した柿に、庭のアロエと紫蘇と柚子、豆腐に牛乳。そして最後に、摺りゴマと青汁の粉をかけ、ヨーグルトを盛った。アロエは葉ごと、ミキサーにかける。
柿は体を冷やすとよくいわれるが、そうではないという説もある。
私が生まれたときにはすでに、同じ場所でたくさん実をつけていた柿の木。虫に食われる、前より実をつけなくなった、前と違って渋い実が増えたと、何度も家族に切られそうになったけれど、喧嘩しながらこの木を守った。
今年もありがとう。