22歳の私『ニューヨークの魔法のさんぽ』

マンハッタンのGreenwich Villageでかなり前に撮ったこんな写真が出てきた。『ニューヨークの魔法のさんぽ』(文春文庫)のこのエッセイに添えた写真。撮った場所は違うけれど、ま、暗がりなら22歳に見え・・・ないよ。

ごく普通の日常で、こういうやりとりがあるのが楽しいですね。

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 二二歳の私

首都ワシントンの空港のセキュリティ・チェックで、私の前に並んでいた若い白人の女の人が、黒人の係員にパスポートを見せた。
係員は驚いた様子で、彼女に尋ねた。
How old are you?
君、いくつなの?
I’m 22.
22歳です。
You don’t look 22.
22歳には見えないよ。
確かに、16、7歳の高校生のように見える。
I know.
わかってるわ。
女の人が後ろにいる私に気づき、振り向いて笑った。
係員がその人にパスポートを返す。
次は私の番だ。私がふたりの会話を聞いていたのに、気づいたのだろう。係員が私を見て、ほほ笑んだ。
I’m not 22.
私は22歳ではありません。
私が冗談を言った。
You’re not 22?
君、22歳じゃないの?
係員がおどけて、聞き返した。
No. Unfortunately.
違うんです。あいにく。
Are you sure?
うそじゃないんだろうね? と係員。
I wish I were, but thank you.
本当に22歳だったら、いいんですけどね。でも、ありがとう。
私が答えた。
係員は私のパスポートの写真をじっくり見る。それを指さして、言った。
You look 22 in here.
この写真、22歳に見えるよ。

その前に、テロリストみたいなパスポート写真を撮り直したところ、ひと昔前のアイドルみたい!と自己満足する写真をゲット。それを貼ったパスポートだったのよ、という回想から空港での現実に戻り・・・↙

Oh, thank you.
あら、それはどうも。

もしかすると、空港の係員は、本当は私が22歳だと思っている?
“22歳の写真”の脇には、動かぬ証拠、生年月日がしっかり印刷されているけれど、心憎い彼の言葉を耳に、私は身も心も、ワシントンの空に舞い上がる。

という話。

珈琲を飲みながら,ゆったりと、ほのぼのと。
Enjoy “A Spellbinding Walk Through New York ニューヨークの魔法のさんぽ”

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