長旅で出会ったたくさんの人たちの笑顔が浮かぶ。イタリアのリグーリア州の海岸絶壁に寄り添う5つの村チンクエテッレ。そのひとつ、コルニリア(Corniglia, Cinque Terre, Italy)で出会った母子。
ヨチヨチ、坂を上ってくる様子がかわいらしくて、思わずカメラを向けた。取ったメモを見れば、わかるけれど、私の記憶ではたしかスイス人。
私がしつこく写真を撮っていたら、ニコニコしていたのに、突然、泣き顔に。でもすぐに、また笑顔が戻った。
朝から晩まで歩き回っていたつい先日までの日々とは正反対の、パソコンの前にすわりっぱなしの生活に戻った。旅の間は、足を酷使。足の裏が擦り切れるのではと真面目に心配になるほど、よく歩いた。旅が終わる直前、サンクトペテルブルクで、靴の底が半分はがれ、ぽっかりと大きな穴が開いた。
今は目を酷使。12月刊行の本なのに、間に合うのかしら、と心配していたけれど、今回はデザイン事務所でほとんどの作業をするとかで、前代未聞のスケジュール。原稿の量が多すぎるのは明らかなので、フォーマットを自分で作って流し込み、何ページくらいになるかみようとしているところ。 今、第二章の途中。あさっての夕方、デザイン事務所との打ち合わせがあるので、それまでにある程度、原稿の量を調整する予定。 ちょっとひと休みして、旅の写真を眺めていた。今回の旅の話も、早く書きたくてうずうずしている。
岡田 光世 / Okada Mitsuyo