パパの形見

「今日は何の日か、知ってる?」   今朝、母が私に聞いた。  一度だって、忘れたことはない。  父は、成人の日だった1月15日に、私が12歳の時に急死した。 「今日はお寿司にしようか」と母。  命日はいつもお寿司だ。   続きを読む…

父にあげたはずの四色ボールペン

父の誕生日だったか父の日だったか、覚えていないけれど、私が小学生の時、文房具屋さんに行って、お小遣いで四色ボールペンを買った。 父は言葉遣いや躾にとても厳しく、弟も私もよく殴られた。 それでも父が大好きだった。 喜んでく 続きを読む…

いつも、お父さんと一緒 パリの地下鉄での出会い

パリの地下鉄で隣にすわった青年が、日本の漫画を読みふけっていた。 この本、中古で買ったんだ。 右腕一面に、日本の漫画のキャラクターの刺青があった。 そして、足には、この一文字が。  なぜかわからないけれど、僕が10歳のあ 続きを読む…

日本とアメリカの父の命日

「子どもがみんな成人するまで生きられるかな」。そう言っていた私の父は、1月15日にこの世を去った。以前の、成人の日。私が12歳。弟たちは9歳と4歳だった。 14日の夕方、大学病院に運ばれ、15日未明に息を引き取った。この 続きを読む…