長いけれど、最後まで読んでもらえると、うれしいのは。「じつは私。昨日、外に出る前に決めたんですーー」のあとを読んでほしいから。
ライブハウスでは、みんなすぐに仲間になる。一緒に歌って踊って、笑顔を交わして、ハイタッチしてーー。
「銀座ケントス」のビートルズ・ナイト。ライブハウスに通い詰めている男性(Mさん)が、昨年12月池袋の私の講演会に初めて参加。親睦会、二次会まで残ったので、みんなとすっかり親しくなり、昨夜のビートルズ・ナイトに声をかけたようで、私たち夫婦の顔見知りもちらほら。
せっかくなので集合写真をと、そばのテーブルにすわっていた中年男性に写真を撮ってもらってもいいかと私が声をかけた。ニューヨークではよくやってしまうけれど、ほかのお客様に頼むなんて、ここは日本なのに、と思いながらも、近くに店のスタッフは見当たらなかった。
その男性はしばし無言。そして「ここにすわったままで撮ってもいいんでしたら」と表情を変えずに言った。見知らぬ人に頼むなんて、岡田光世、またやってるよ、というみんなの視線を背中に感じてたよー。
携帯を構え、「はい、撮りましたよ」と男性が言うなり、「もう一枚撮ってもらわなくて大丈夫かな」と誰かが私にささやく。その男性が快く撮ってくれたようにも見えなかったから、「さすがの私も、もう頼めないよー」とささやき返す。
気分を害していないかと気になり、その男性のテーブルに戻り、「よくここに来られるんですか」と話しかけた。「いや、初めてなんですよ。妻の…○の◯が…ここの◯の◯の知り合いで」とややこしすぎる関係を語るので、「複雑すぎて頭に入りませーん」と理解するのをあきらめる。そして「イエスタデー」がどんなに素晴らしい映画だったかを、息つく暇なく、文字どおり喋り続ける。「あれは、ビートルズであろうと、後世に伝える努力を怠れば、忘れられてしまうというメッセージだと思うんです!」とそれはそれは熱く語り続ける。
と、中年女性が、不思議そうな、でもにこに顔で戻ってきて、男性の隣にすわった。「さっき、写真を撮っていただいた仲なんです」と私。
「ええ、さっきトイレに行くんで立った時に、向こうで見ていて、私が撮ればよかったわ、って思ってたんです。この人、喋りだすと止まらないで、話聞いてると大変ですよ」と女性。ふたりは夫婦だった。
「そうなんです。イエスタデーについて延々と喋り続けて、止まらないんです!」と私。
「皆さんはどういうグループなんですか。お友達?」と女性に聞かれたので、簡単に説明する。「私を紹介したいのでチラシを持ってきて」とMさんが言ってくれていたので、2/7の二子玉川蔦屋書店のチラシを持っていた。
休憩の時に、「私、こういう者なんです」とその夫婦に渡そうと戻っていき、しゃべりはじめたら、なんと見たことのない顔。どうやらテーブルを間違えたらしく、見知らぬ夫婦だった! すみませーん!と平謝りし、さっきの夫婦のもとに行くと、間違えた相手の男性が振り返り、「ダメじゃない。そんなカッコいい男性と僕を間違えちゃ!」と笑う。
チラシを渡し、またフロアでみんなと踊っていると、チラシを渡した最初の夫婦の女性が私のところにやってきて、「このイベント、まだ申し込めるんですか。夫婦で参加しようかって、話してたんです」と言うではないか!
「ええええー!! ホントー!?!? うっれしー!!」と思わずその女性をハグ❤️ハグ❤️、何度もハグ❤️ハグ❤️しちゃいましたよー。
その後も、「血圧、また上がりそ〜」と言いながら踊り続け、そこで知り合った20代の女性(Kさん)の家が私の隣の駅だったので、真夜中近くに一緒に地下鉄に乗った。と私たちが一緒にすわれるように詰めてくれた男性が、日本語でも英語でもない言葉を喋っている。
Where are you from? とKさん越しにその男性に聞くと、「LA」と答える。英語にはなまりがあった。Where are you from originally? (もともとはどこから?)と尋ねると、「マニラ」と言うではないか。隣にすわっている夫婦はLA、前にすわっていた息子たちはニューヨークに住んでいて、日本に5日間、旅行に来ているという。5、6人のグループだった。
じつは私、数日前も都内のある店でフィリピン人らしき女性をみかけたので、声をかけたら、日本人男性と結婚したフィリピン人だった。
「マニラ。ボルケーノー。ボルケーノー」と繰り返す。そう、マニラ近くで、大規模な火山噴火があったばかりだった。
私たち夫婦はセブから戻ってきたばかりだから、延々とおしゃべりは続く。
「京都から今さっき東京に戻ったんだけど、大変だったんだよ。JRパス(外国人が使えるお得な乗り放題切符)だと「ひかり」にしか乗れないのに、最終が出ちゃったあとだったんだよ。明日は東京でレスリングを見ることになってるから、今夜、東京に戻らなくちゃならないって言ったんだよ。そしたら、家族みんなで600ドルも追加料金払わなきゃならない、って言われて、途方に暮れたけど、仕方なく「のぞみ」に乗ったら、ラッキーなことにチケットを見なかったんだよ! 」ですって。そんなことがあるんですね。
Kさんは偶然にも京都市出身。しかも春には仕事でフィリピンに行くという。彼女も巻き込み、彼らが降りていくまで楽しく話し、「Enjoy the rest of your stay. See you in New York!」(残りの日々を楽しんで。またニューヨークでね!)と言って別れた。
家に戻ると、Kさんからメッセージが届いた。
「光世さん、先程は家路をご一緒させていただき有難うございました!お陰様でめちゃくちゃ楽しかったです☺️ また、この短時間で人類みな兄弟という感覚を光世さんから受けて、私もそうありたいと思わされました。2/7二子玉川のイベント、仕事がなければ行かせていただきます!」
あのご夫婦。そしてKさん。また、会えたらうれしいな。
じつは私。昨日、外に出る前に決めたんです。人と会うとき、この人に会うのは、これがもう最後かもしれないと思って、今が人生最後の瞬間かもしれないって思って、会ってよかったと相手も私も思えるように、なるべく素敵な笑顔で、そしてその瞬間を思いっきり楽しもうって。
そう思ったのは、私の大切な人に、数日前にとても悲しいことが起きたばかりだったから。そしてもうひとつ。明日1月15日が、父の命日だからかもしれない。私が12才のときに、父が心筋梗塞で、私たち家族を残して、突然いなくなってしまった。
昨夜の写真を提供してくださった皆さん、ありがとうございます!
まだ申し込めるそうです。二子玉川蔦屋書店(蔦屋家電)のトークイベント。愛にあふれた楽しい話だよー。思いっきり笑って、思いっきりハグしよーねー❤ で、思いっきり踊っちゃう❓ こっちで待ってます️👇
“そう。だから、歌って踊って笑って!” への1件の返信