日本人を傷つけていないか、と心配する韓国系アメリカ人のグレイス先生

「日本の人たち、私を悪く思ってない? それが心配…」。

新刊『ニューヨークの魔法の約束』に出てくる、韓国系アメリカ人のグレイス先生。

日本の統治下の勧告で生まれ育った。センシティブな内容なので、自分が言ったことで、日本人を傷つけていないか。韓国人を傷つけていないか。

先生はそれがずっと気になっていた。

今日、先生とランチした。先生は91歳。風が強かったので、「温かい格好で来てくださいね」と言ったら、「光世さ~ん、おばあさんみたいに言わないで」と叱られた!笑

「建物の中で待っていて」と先生が言ったのに、15分も早く着いた先生は、外に立って、ずっと私を待っていた。手が氷のように冷たくなっていたから、温かくなるように、両手で先生の手を包んで、さすっていた。肺炎にでもなったら大変。「光世さん、あなたは気を配りすぎるから、ちょっとポカンとしなさい」と。

気配りが素晴らしいのは、先生のほうだけど。

先生はいつも、先生みたいな口調で私に何か言う。

「髪、切った? それがいい。これからその髪型にしなさい」、「この場所はとってもいいでしょう? 今度、人と会うときは、ここで会いなさい」

新刊にも書いたように、先生とマンハッタンを歩きながら、日本語で一緒に「夕焼け小焼け」を歌った。

その時、アイフォンで録音した歌声を、嬉しそうに聞いている写真ーー。

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先生、いつまでも、いつまでも、元気でいてくださいね。

 

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