「肺がんの疑い」に動揺し、ハシゴから落っこちて全身打撲で苦しんでいる間に、アメリカのピッツバーグでは、ユダヤ教の礼拝堂(シナゴーク)で白人至上主義者による銃乱射事件が起き、インドネシアでは飛行機が墜落し、私の心身の痛みなど本当に些細なことでしたね。

正統派ユダヤ教徒の友人に、ジューイッシュ・コミュニティへのお悔やみのメッセージを送ると、返事が来ました。

Thank you for your message of sorrow . May we share only good tidings.

tidingsは「便り、知らせ」という意味です。

写真はブルックリンで出会った、通りすがりの正統派ユダヤ教徒の家族。街角で花束を買っていたので、「特別な日なんですか」と声をかけた。金曜日の夕方だったので、その日の日没から土曜日の日没まで安息日ということはわかっていた。

「僕は毎週金曜日に妻に花束を贈るんだ」とその男性。奥さんはその頃、せっせと安息日のディナーの準備をしていたことでしょう。毎週、花束を贈られるなんて、すてきですね。贈る方も贈られる方もハッピー。それこそgood tidings.です。

突然、私が声をかけたので、子どもたちが不思議に思ったのでしょう。お父さんが、「この人はニッポンっていう国の人なんだよ。飛行機に乗って行くんだよ。何時間くらいかかるの? え、十数時間? 十数時間もかかるんだって。遠いんだよ」と説明していました。

彼らは友人とは違うルバビッチ派です。『ニューヨークの魔法をさがして』で、正統派ユダヤ教徒にどこかに私たち夫婦が連れていかれる話「超正統派ユダヤ教へのいざない」がありますが、あれがルバビッチです。あの話はあとから自分で読み返しても、笑えます。彼らは正統派のなかでもとてもオープンで、写真もOK!という人が多いようです。

お騒がせした肺がんの疑い。昨日受けた精密検査CTスキャンの結果を、明日、聞きにいってきます。

大丈夫!と信じて。good tidingsを信じて!

アメリカの中間選挙、一週間後に迫りました。ハシゴから落ちた(しつこい)衝撃で忘れていましたが、ハシゴから落ちる前に書き上げました。トランプの連載です。お読みください。

『ニューヨークの魔法をさがして』