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「ニューヨークの魔法」シリーズ(文春文庫、第1弾〜第8弾まで)。世界一お節介で、図々しくて、孤独な人たち。でも、泣きたくなるほど、温かい。たった一度のあなたの人生を、もっと肩の力を抜いて生きていこう、と思うはず。どの話にもニューヨークでよく耳にする英語がちょっとだけ入っていて、ほっこりしながら英語も学べます。シリーズのどの本から読んでも楽しめます。シリーズはすべて、普通の文庫(紙)もKindleもあります。内容はAmazonでどうぞ。下のチラシをクリックす☕ると、「ニューヨークの魔法」シリーズの第1弾に飛びます。
76歳でポール・マッカートニーのあのバイタリティと歌声、に驚くけれど、同じくらい驚くのがコンサート会場での夫の変わりよう。
コンサートの間、「ヒューヒュー!」と大声で叫び続け、ポールの「Are you having fun?」「モット、キキタイ(もっと聞きたい)?」などの呼びかけに「イエース!!!」と隣で絶叫する。
コンサートが終わり(そうになり)、いったんポールとバンドが退場すると、アンコールを求めて会場から拍手が起きるものの、「こんなに静かだったら、ホールはもう戻ってきてくれないよ…」と夫が悲しそうにつぶやく。
で、「光世! PAUL!って叫ぼう!」と私を誘う。
ニューヨークじゃなんだってできるけど、ニッポンだとなぜかそーゆーことできないんだ私。
でも、「いいよ」と一応、返事して、ふたりで「せーの!」と言ったあとで私は黙る。
夫は「P~A~U~L‼」とひとり絶叫。
それがまたよく通る、ほれ直しそうないい声(顔より、声がいいですねーと言われる頻度が高い)。夫は私が一緒に叫ばなくても、一向に構わない様子。我を忘れている。
「それじゃ、ポールには聞こえないよ。ほれ、もっと大きな声で。せーの!」と私がのせると、再び「P~A~U~L‼」と絶叫。
5回くらい、やらせてみた。
うちのブロックじゃ、夫だけだよ、叫んでんの。
「アンコール、何、歌うのかな」と夫はドキドキ。
「Yesterday」と私が思いつきで言うと、「いやー、それはないよ。アンコールの歌じゃない」と夫が偉そうに返してきた。
…と、歌い出しましたよ、ポール君が。
「Yesterday…」…。
ふふ。
コンサートが終わって外に出る。
「ビートルズのSgt. Pepper’s のアルバムの表紙の格好をまねして、仮装してる人たちがいるよ。ユニオンジャックを着てる人もいるよ! あ、いたいた! ほら、ほら、あの人だよ」と夫。
「写真撮ってもいいかな?」と私が言うと、「もちろんだよ」と夫が変わりに答える。
その人に声をかけると、「いいですよ」とポーズした。
と夫が、「あ、一緒に写りたい…」と子どもみたいにちゃっかり並んで、見知らぬ人の肩に手を回してポーズしてる。
お礼を行ってその場を去りながら、「いやー、彼もいい記念になるだろ。あの格好で一緒に写真撮ってもらって」。
って、夫よ、あなたは何様ですか?
駅に向かって歩きながら、「塩ボー(夫の高校時代からのニックネーム)、コンサートに来ると童心に戻るんだね」と感心しながら私がつぶやく。
「そうだよ。オレは10歳の時からビートルズを聞いてたんだよ。今の子どもがディズニーランドで興奮するように、オレはビートルズで興奮するんだ!」
そうなんだ、そんなに好きだったんだ。
じつはこのチケット、高校時代の私たち夫婦の同級生の鯨井クンが取ってくれた。鯨井クンは今日、男友達とふたりで行っている(ちょうど今、コンサート中~)。
「光世が行かないなら鯨井が2度、行ってもいいって言ってる」と夫が言うので、「じゃあ、ふたりで行ってくれば?」と答えると、
「オレとしては光世と一緒に行きたいんだよね。ビートルズだよ、ビートルズ。ビートルズ時代の曲、たくさん歌うって、鯨井が言ってたよ。鯨井も光世先生とふたりで行くほうがいい、って言ってたよ」
あらん、そんなに私と行きたいんなら、しょうがないわね、行きますよ、行きましょう!
鯨井クンはコンサートチケットをまず一枚、数日前に夫の職場に届け、昨日のコンサート直前に、水道橋の改札口にわざわざもう一枚届けに来た。
私が別のところで待っていると、鯨井クンと夫が歩いてきた。
「なんでわざわざ、一枚ずつ渡すわけ?」と聞くと、「おっめえ、おめえさんに会いたかったんだよ! おめえさんだって、ダンナの次に愛してるオレに会えて、幸せだろ」と肩をバシン!と勢いよく叩く。
「肺がんの疑いあり」という検診の結果を、数日前に夫が鯨井クンに話したらしく、「結果を報告しないと」と夫が私を促すと、「おめえさんの存在自体が悪性だからな…」と相変わらず口が悪い。
で、私たちをわざわざ東京ドームのゲート前まで連れていき、「じゃ、オレは帰るわ」と去っていった。
思えば、ポールのコンサート、夫は昨日が初めて。
私は前に鯨井クンと行ったんだった。
そのあと、別の年に鯨井クンが私たち夫婦のために取ってくれたポールのコンサートは、会場に行ったら、キャンセルに。ポールの病気が理由だった。
「Let It Be」「Hey Jude」「Yesterday」…青春の思い出の数々を聴きながら、そして、ジョンとジョージに捧げてポールが歌うのを耳にして、
ああ、やっぱり夫と来てよかったとしみじみ。
チケット取ってくれたのに、ごめんよ、鯨井クン。
また、取ってねー!
この写真は、前に一緒にヨットに乗った帰りに、イチゴのかき氷を食べる鯨井クン。かき氷が小さく見える。
クジラに似ているわけではないんだけど、なぜか名前のイメージにぴったりの顔なんだよなぁ。
私の講演会と読者との親睦会には、いつも「出席」なので、いつか見に来てください❤
☕️「ニューヨークの魔法」シリーズ(文春文庫、第1弾〜第8弾まで)。世界一お節介で、図々しくて、孤独な人たち。でも、泣きたくなるほど、温かい。たった一度のあなたの人生を、もっと肩の力を抜いて生きていこう、と思うはず。どの話にもニューヨークでよく耳にする英語がちょっとだけ入っていて、ほっこりしながら英語も学べます。シリーズのどの本から読んでも楽しめます。シリーズはすべて、普通の文庫(紙)もKindleもあります。内容はAmazonでどうぞ。下のチラシをクリックすると、飛びます。