モレシュールロアンのとけない魔法その3

Moret-sur-Loing, Franceーー前々回と前回の投稿のさらに続き…パリ郊外の小さな村、モレ・シュル・ロワンで、前を歩いていた男性が背中にしょったバゲットの写真を撮らせてもらったことがきっかけで、私たち夫婦はその見知らぬフランス人の家にランチに招待された。

じつは、あなたたちに見せたいものがあります。あのときあの場であなたたちに出会ったのは、fate(運命)でしょう。

彼はそう言うと、車に戻り、長細い箱を抱えて戻ってきた。

中から現れたのは、日本地図だった。その街でもパリでも手に入らず、ネットで購入したという。

これを受け取りに郵便局に行った帰りに、あなたが私に声をかけてきたのです。

彼は日本地図を買った理由を、私たちに説明してくれた。

息子さんも下に降りてきて、5人で一緒にランチをいただいた(写真)。

私たちはこれから、平日はパリのノートルダム寺院の近くに小さなアパルトメントを借り、週末はこの家で過ごすことになります。だから、今度、パリに来るときは、週末はパリのアパルトメントに、平日はこの家に滞在してもらえますよ。

男性が親切に、そう言ってくれた。すると、彼の妻が言った。
あらでも、それじゃあ、あなたたちに会えないわ。ぜひまた、あなたたちに会いたいわ。

私たちはその夜、パリに戻る予定だったので、この村で過ごせるのは一日だけだったが、彼らの家でいろいろな話をし、4、5時間、過ごした。

別れ際、私は思わずふたりをハグし、さよならの挨拶をした。
「フランスではほおを寄せ合って挨拶するのですよね」と言いながら、私はふたりを思い切り、抱きしめたかった。

彼が運転する車に乗り込むと、さっきは無表情で立っていたあの同じ家の正面のドアに、妻が笑顔で立ち、私たちに手をふってくれていた。

そしてそのあと、また、起きた。彼らとの”とけない魔法”がーー。

地図を買った理由と、最後の”とけない魔法”については、いつか必ず本に書きます。

これを私は今、偶然にも、彼の生まれ故郷、フランス北部ノルマンディのルアンで書いています。街そのものが美術館と言われるルアンは、英仏百年戦争のフランスの英雄、ジャンヌ・ダルクが火あぶりにされた広場がある街としても知られています。

たった今、この街の闇夜に浮かぶ大聖堂(カテドラル)の正面全体を大きなスクリーンにした、それはそれは素晴らしい音と映像のショーを見て、ホテルに戻ったところです。のちほど、写真をアップしますね。

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