アメリカに住んで学んだこと。
家族でどんなに小さなことでも、Thank you.とありがとうの気持ちを伝えること。
食卓の塩を取ってもらった時、コーヒーを淹れてくれた時。
“Thank you, dear.” と、1年前に亡くなった元硫黄島兵士のドンも、いちいち、妻に言っていたっけ。
私たち夫婦も、そんな人たちと接していくうちに、少しずつ、変わっていった。
家族って、言葉なんかなくても、気持ちは通じると思いがち。
家族なのに、なんでそんなに、気を遣わなくちゃならないの、と私の母も言う。
でも、人が幸せに感じるのって、そんなちょっとしたことばをかけられた時。
一番、気を遣って、温かいことばをかけたいのは、他人より誰より、家族だと思う。
叶うものなら、「ありがとう」と心から伝えたい人。
それは、私が12歳の時に心筋梗塞で急死した父ーー。
もうすぐ、父の日が来る。
Photo: Brooklyn, New York