Thinking about Mom in Wisconsin– ウィスコンシン州のマムを想ってーー。
数日前、東京の自宅で夜中に激しい腹痛に襲われた。耐えられなくなって、隣で寝ていた夫を起こしてしまった。
夫は私のおなかをずっとさすってくれた。遠い昔の記憶がよみがえる。
留学して3か月目のクリスマスの翌日、私は激しい腹痛に襲われた。
夜中の12時半。マムとダッドは朝3時頃、起きなければならない。私は耐え切れず、とっても迷ったけれど、マムの部屋に行った。
そして、マム、おなかが痛くてたまらないの、と寝ていたマムを起こしてしまった。
マムとダッドは同じ部屋で、別々のベッドに寝ていた。「ベッドに入りなさい」と言い、マムは横たわった私のおなかをさすり続けた。でも、痛みは治まらない。
あなたの部屋に戻りましょう。マムも一緒に私の部屋に来て、熱を計ったけれど、熱はなかった。
氷を持ってきて、私のお腹を冷やした。マムは私の脇に横たわり、心配そうに見守ってくれた。
痛みはひどくなるばかり。マムはかかりつけの医者に電話し、話している間、ずっと私の手を握っていた。おなかを温めるように、と医者は言った。電話を切ると、ヒーティングパッドを持ってきて、私のおなかにのせた。
だんだん、痛みが和らいでくると、マムは安心した表情を浮かべた。
「ミッツィ、マムもそろそろ、寝るわね。でもマムが必要になったら、呼びに来てね。歩けなければ、怒鳴ってちょうだい」
「起こしちゃってごめんなさい、起こしたくなかったんだけど」と私は詫びた。マムは微笑んだ。
「謝る必要なんかないの。私はいつもここにいるから、起こしてちょうだい。I love you.」。
私のおなかをさすってくれている夫に言った。
温めたら、痛みがおさまるかも。
ホカロンは母の部屋にあった。母が目を覚まし、心配そうにホカロンを手渡してくれた。
ベッドに戻り、ホカロンを当てたおなかを、そのうえから夫がまたさすってくれた。
痛みが和らいでいくのを感じながら、あの日、マムも同じように私のおなかをさすってくれたの、と夫に話した。
マムは光世が、本当の娘みたいに可愛かったんだろうなぁ。夫が言った。
マムはもうこの世にいない。今日はこれから日本の母、ふたりの弟家族と一緒に、近所の知り合いの鰻屋さんで、母の日を祝う。
マム、鰻は気持ち悪がるだろうけれど、マムにも感謝の想いが届きますようにーー。
マムの写真がないかな、とウィスコンシンのホストシスターのFBをのぞいてみたら、プロフィールがこのマムの写真になっていた。
Happy Mother’s Day–。