バレンタインデーの今日、ニューヨークの花屋さんは男性ばかり。
写真を撮りに店に入ると、スーツ姿の男の人たちがこちらに背を向けて、一生懸命、花を見繕っている様子が可愛かったけれど、なんだか場違いな、ちょっとさみしい気分で外に出た。
だって、私はもらう側なのに、くれる人、いないもん…。
チョコレート店もカップケーキの店も、同じように男の人でいっぱい。不思議な雰囲気だ。
バラの花束を手に家路を急ぐ男性たち。の柄の入った紙袋や、花束を抱える女性たち。キスを交わす男女、ゲイカップル。
あ~あ。夫は遥か彼方の東京だ。
さみしい思いでアパートメントに戻ると、大きな細長い箱が届いていた。
カリフォルニアから出荷、とだけ記されている。
一体、何? そして、誰?
箱を開けると、異様な物体、いや、花束が横たわっていた。
箱の底に見つけたカードには、英語でメッセージが書かれている。
My dearest wife, Mitsy,
This proves that you are always on my mind even though we are physically apart now.
Please enjoy watching the roses of your favorite color and wait for me to come to you!
Satoshi
最愛なる妻、ミッツィ、
これではっきりわかっただろう。君のことをいつも思っているということが。
たとえ今、ふたりが物理的に離れていようとも。バラを眺めて、楽しんでくれ。君の大好きな色だ。
そして、僕が君のもとへかけつけるのを、待っていてほしい。
智
ただただ、びっくり。そして、泣いた。
一緒にいたアメリカ人の友人に見せたら、「私も読んでいいの?」と言い、読みながら、「私も泣けてきたわ」と涙ぐんでいた。
おおー! 昨日、「買ったよ」とエラそうに私が夫に言ったチョコレート!?!
半分食べずに、全部、残しておかなきゃ!!
私からのバレンタインのプレゼントは、今のところ、”笑顔”だけだし…(‘◇’)ゞ
しかし。こんな粋なこと、いったいいつ、学んだんだ!?
(英語だとすんなり泣けるけれど、日本語に訳すとキザに聞こえるものですね。昨日といい今日といい、おのろけですみません。今日は本当は、マンハッタンであったイベントについて書こうと思っていたんです…)。
先日、「とけない魔法」を書店で手にしてから、すっかり
ニューヨークシリーズのとりこになりました。
人はそれぞれ欠点もあるけど、自分らしく生きて良いと言う事を教わった気がします。
ありがとうございました。