リングリング・ブラザーズのサーカスは、まるで大規模なブロードウェイ・ミュージカルとディズニーのパレードとオリンピックが一度にやってきたよう。歌あり、踊りあり、馬上でのアクロバットあり、ゾウのステップをはじめ、ライオン、トラなどの可愛らしい曲芸あり。

隣には黒人のお母さんと、16歳と3歳の娘がすわっていた。最初はとっても愛想が悪かったけれど、すぐに打ち解けた。

Yay! I love it! Look at that! Lions!(ライオンだよ!)That’s awesome!(最高だね!)カンガルーなんて、初めて見たよ!ーーと興奮して叫び続けているのは、子どもたち、ではなく、隣の黒人のお母さん。毎年、サーカスを見に来るという。

お母さんの一番のお気に入りは、地球儀のような球の中で、ぶんぶんとものすごい勢いでバイクを走らせるショーだ。最後は8台ものバイクが、地面と平行に珠の中で走り回る。

動物愛護団体の圧力で、ゾウのショーが2018年までに中止になるという。「それが目玉じゃないか。あり得ない話だよ。そんなことをとやかく言う前に、治安とか子どもの教育とか、そういう心配をしてほしいもんだよ。そうだろ?」とお母さん。

またサーカスがやってくる時には連絡するから、電話番号を教えな。
じゃあ、またサーカスで会いましょう。

そう言って、3人と別れた。

道化師のようなメークアップの子どもたちもたくさん。会
