死んでしまった。私の敬愛する恩師、米作家のE. L. Doctorowが。NYU大学院のCreative Writingで、彼の指導を受けた。修士論文は短編集で、彼が指導教官だった。彼がこの大学で教えていると知って、仰天した。だって、日本の大学の米文学の授業で、名前が何度も出てきたのだもの。
君のストーリーは、とてもパワフルだ。書き続けなさい、と言ってくれた。なのに、私は今まで、何をしていたんだ。
4年前、マンハッタンのユニオンスクエアにある書店「Barnes and Noble (バーンズ・アンド・ノーブル)」に立ち寄ると、偶然にも彼の朗読会が始まろうとしていた。私は一目散にエスカレーターを駆け上がって会場へ。
時々、彼のオフィスに会いに行き、近況を報告し、授業を覗かせてもらったこともあったから、私のことは覚えていた。私を見ると、驚き、そしてにっこり笑った。新刊に「『光世』と漢字でもサインしてくださいね」と頼んだら、私が別の紙に書いた文字を見ながら、一生懸命、書いてくれた。
To Mitsuyo
with all good wishes
E.L. Doctorow
光世へ
村上春樹が「アメリカへ行ったら、E. L. Doctorowに会ってこい」と言われたと、どこかに書かれていた。そのくらい素晴らしい作家ーー。そして何より温かい人だった。オバマ大統領が、ツイッターでつぶやいている。
“E.L. Doctorow was one of America’s greatest novelists. His books taught me much, and he will be missed.”
先生に会いたい。
そういえば、『ニューヨークのとけない魔法』(文春文庫)にちらっと先生の授業を取ったときのことを書いたと思ったのだけれど、動揺しているせいか、見つからない。「求めよ、さらば与えられん」という英文を添えたエッセイだったと思うのだけれど。
岡田光世さま
尊敬されている恩師が亡くなられたこと、お悔やみ申し上げます。
悲しく、残念なお気持ちお察しいたします。
以前、ブログに思わず書きこんでしまったのですが、送信がうまくいかず、
同じ内容のものを2回送ってしまったようで失礼いたしました。
お返事ありがとうございます。
12月12日は手帳にメモしました。
楽しみに致しております。
先日の連休娘と話しているうちにNY談議で盛り上がり、
久しぶりにユー・ガット・メールのDVDを見直しました。
この映画に登場するお店に行きたいねということから、
12月25日から娘とNYに行くことになりました。
チケットも取りました(今なら安いので)
こんな展開になったのも光世さんの魔法シリーズが発端なのです。
素敵な本をありがとうございます。