高層ビルとコンクリートに囲まれた都会でも、人はこんなに人間らしく生きられる。欠点があっても、ちょっと変わっていても、一人ぼっちでも、きっと明日はもっと面白い。著者の描くニューヨークの街角は、寒い冬の日にそっと差し出される缶コーヒーのように温かい。この本には、たしかに魔法がつまってる。
解説・阿川佐和子
目 次
こんな街
第一章 人 々
リトルイタリーの小さな商人
ニューヨークの頑固親父
ホームで出会ったイラン人
夏の浜辺の拾いもの
おれのストーリー
第二章 子ども、老人、ホームレス
ブルックリンの罪ほろぼし
"非行少年" の届けもの
犬が老人ホームを訪ねた日
ブロンクスの感謝祭
冬の仲間
クリスマスイブの盗人
踊り場の "部屋"
第三章 街 角
メニューのあるレストラン
靴を脱ぐということ
ニューヨークで二番目におもしろいところ
セントラルパークという絵本
聖人にお願い
暴動のうわさ
第四章 私とニューヨーク
夕飯
机を運びながら
小包
母のニューヨーク
戸惑う日本の入院生活
第五章 ニューヨークだから
車内放送
地下鉄の芸人
ベランダの住人
ニューヨークがやさしい