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奥さまはニューヨーカー

Going Home

文庫: 293ページ
出版社: 幻冬舎 (2009/09)
ISBN-10: 434441358X
ISBN-13: 978-4344413580
発売日: 2009/09








 NY式オレオレ詐欺にひっかかったり、車に当て逃げされたり、相変わらずトラブル続きの奥さまスージーと夫テリーだが、ある日、突然「帰国命令」が。山田一家の運命はいかに!?NYに暮らす家族のドタバタ生活をコミカルに描いたロングセラーの英語学習マンガ。英語の全セリフに日本語訳付き。日常表現を楽しく身につける人気シリーズ完結編。

はじめに

「あの話って、もしかしてボクのことですか」。ニューヨークで何度、そう聞かれたかわからないくらい、「奥さまはニューヨーカー」シリーズのエピソードの多くは実話に基づいています。

 とくに登場人物のモデルはいませんが、本書の「アイム・ソーリーと言いました?」(5話)、「日本人は不親切!」(24話)、「英語なんてノープロブレム」(25話)、「返品してトクする国」(67話)などは、私たちの体験そのもので、そこからストーリーのヒントを得ています。

 本書はシリーズの第五弾、最終巻です(第一弾は黄色い表紙。第二弾は赤い表紙、第三弾は白い表紙、第四弾は水色の表紙)。突然、ニューヨークに転勤になった山田一家のドタバタな日々を、マンガで描いています。

 一話二ページの読み切りなので、第五弾のこの本から読み始めても大丈夫です。毎回、次のページのKEY EXPRESSION で、マンガに出てくる英語表現を一つ紹介し、わかりやすく解説しています。

 第一弾「奥さまはニューヨーカー」では、主人公のスージー(山田静江)が娘のケイト(毛糸)を出産したり、英語で講演して日本のイメージをぶち壊したり。長男のチャーチル(茶散)は学校でワイルドなデービッドと仲良くなり、メロディに思いを寄せます。夫のテリー(照夫)は、日本語を勉強中の同僚エリックと競い合い助け合い、奮闘します。

 第二弾では、転校生・日ノ本愛やお金持ちで礼儀正しい韓国人のヤンスーが加わり、茶散とメロディの仲は面倒なことに。テリーの甥・赤門学が山田家に居候し、アメリカの高校に通い始めます。プライドが高くてデリカシーに欠けるけれど、どこか憎めないガリ勉君です。

 第三弾からは学の個性がさらに際立ち、山田家での存在感も増します。新たに加わった根倉田一家は、何事もマイナス志向で臆病なので、山田家ともトラブル続きです。

 第四弾では、山田家の思い込みの激しさも、根倉田家の被害妄想ぶりも絶好調。学は念願のハーバード大で寮生活を始めますが、品がなく自己チューなため、育ちのいいルームメートのひんしゅくを買ってばかり。茶散と毛糸の日本語は、かなりあやしくなってきました。

 本書では、スージーの甥の毛村拓哉が「チョー憧れ」のNYにやってきて、山田家に居候します。まったくモテない学から女の子を紹介してもらうのですが・・・。デービットは初めて日本に遊びに行きますが、なぜか元気がありません。根倉田一家は一日も早い日本への帰国を望みながら、ますます暗い日々を送っています。そんなある日、テリーのもとに東京本社から一枚のファックスが送られてきます。さて、その中身とは。

 まずはマンガを楽しんでください。次は英語表現に注意して読んでみましょう。さらに登場人物になり切って、セリフを声に出して言ってみましょう。そして、いつか実際に使ってみて、伝える喜びを味わってください。

 笑ってマンガを読んでいるうちに、英語を覚えてしまう欲張りな本です。

 Going Home(帰国)までの最後のNY生活を、ともに味わってください。

   二〇〇九年七月三十日
               岡田 光世
               島本 真記子