すっかりニューヨーク生活に慣れ、パーティや旅行など満喫する山田家だが、肝心の英語力は・・・。勘違いや失敗にもめげず、明るく果敢に英語にチャレンジする一家をユーモアたっぷりコミカルに描く快笑マンガ。英語の全セリフに日本語訳付き。NYで耳にする表現をわかりやすい解説で勉強できる、ロングセラー英語学習マンガの文庫化、第二弾。
はじめに
ひと言、話してみたいーー。
高校に入って初めてネイティブの先生の英会話の授業を受けた時、そう思いながらも、自分から声をかける度胸はありませんでした。
ある日、勇気を出して話しかけることにしました。頭の中で単語を並べて、何度も繰り返しつぶやいて練習しました。授業が終わるのをドキドキしながら待ち、先生が教室を出て行く寸前に、思い切って声をかけました。
What time will you go home today?
(今日、何時に家に帰りますか)
先生は笑って答えました。
Today? Three fifteen.(今日?3時15分よ)
私の英語が、通じた!
あの時のうれしさは、一生忘れないでしょう。英語を話せるようになるのに不可欠なのが、伝える喜びを知ること、そして度胸と好奇心です。
この本の主人公・スージー(山田静江)の度胸と好奇心は、まさにそのお手本です。英語を間違えてもへっちゃら、逆に失敗を楽しんでいます。
本書は「奥さまはニューヨーカー」シリーズ二冊目です(一冊目は黄色い表紙)。突然、ニューヨークに転勤になった山田一家が、失敗を繰り返しながらも果敢に英語にチャレンジするドタバタの日常生活を、マンガで描いています。
一話二ページの読み切りなので、二冊目のこの本から読み始めても大丈夫です。毎回、次のページのKEY EXPRESSIONで、マンガに出てくる英語表現を一つ紹介し、わかりやすく解説しています。
一冊目「奥さまはニューヨーカー」では、スージーがラマーズ法で娘のケイト(毛糸)を出産したり、英語で講演して日本のイメージをぶち壊したり・・・。チャーチル(茶散)は学校でメロディに思いを寄せ、夫のテリー(照夫)は会社で同僚のエリックと競い合い助け合い、奮闘しています。
この本では登場人物が増えます。茶散のクラスには、日本からの転校生・日ノ本愛ちゃんやお金持ちで礼儀正しい韓国人のヤンスーが加わり、チャーチルの恋路の行方は・・・。
山田家には、テリーの甥・赤門学が居候し、アメリカの高校に通い始めます。プライドが高くて、デリカシーに欠けますが、どこか憎めないガリ勉君です。学は歩く”受験英語参考書”、目指すは赤門、東大です。
まずはマンガを楽しんでください。次は英語表現に注意して読んでみましょう。そして、いつか実際に使ってみて、伝える喜びを味わってください。
笑ってマンガを読んでいるうちに、英語を覚えてしまう欲張りな本ーー。
お母さんが買ったのに、小学生の息子に取られてしまったとの声も。
それではお待たせしました、二冊目を今、あなたのもとにお届けします。
二〇〇九年二月五日
三冊目でまた、お会いする時まで。
See you later, aligator.
原作者 岡田 光世