今や五万人を超える海外子女。その一割がニューヨークに住んでいる。突然、異言語、異文化の世界に放り込まれ、日夜激しいストレスに直面する子供たちは、さらに帰国後の進学に備えて過酷な日課をこなさなくてはならない.企業中心の孤立した日本人社会のあり方や、海外にまで進出した受験産業の実態なども厳しく問いつつ、報告する。
目 次
序章
ニューヨークはいま
第一章 現地校
ー 異文化の狭間で
1 異文化のなかで
2 日本人はお客様
3 不適応症状を起こす子
4 急がれる特殊教育
5 生きいきと学ぶ子供たち
第二章 補習校
ー 土曜日は日本人?
1 一日教師が一日校舎で
2 日本に遅れるな
3 オアシスか地獄か
4 増える長期滞在者
5 補習校の意義
第三章 日本人学校
ー ニューヨークの「日本島」?
1 日本学校の子供たち
2 日本を向いた教育
3 孤立した「日本」
第四章 塾
ー 海を渡る受験戦争
1 加熱する塾産業
2 押し寄せる受験の波
終章
ー 今を生きる海外生活へ