義母のニューヨーク

いつくしみ深き 友なるイエスは
われらの弱きを 知りてあわれむ
悩み悲しみに 沈めるときも
祈りに応えて なぐさめ給わん

病室の義母の耳元で、肩をそっと撫でながら、歌う。酸素吸入の音にかき消されないように。肩で息をして痛い痛いと言い続けていた義母が、少し落ち着いたように見えた。痛い、と言わなくなったよ、と夫も言った。でもしばらくして、また、痛い痛い、と訴え始めた。お義母さんの言葉は今、それだけ。

お義母さん、この賛美歌、ニューヨークの教会で、私たちの結婚式のときに一緒に歌いましたね。そう声をかける。でも反応はない。

痛いとき、クリスチャンの義母はつぶやいていたという。イエスさま、アーメン、と。

イエスさまが一緒にいるから、お義母さん、もう大丈夫ですよ、痛くなくなりますよ、と声をかけ続ける。

3か月前に床ずれで入院してから、母はみるみるうちに弱ってしまった。そして一週間前からかなり重篤な状態になった。肺炎に間質性肺炎を併発し、予断を許さない状況ーー。

『義母のニューヨーク』というエッセイを、「ニューヨークの魔法」シリーズの第9弾に書いた。おふくろに読んで聞かせたいな、と夫が言ってくれた。明日一緒に、病院に初校ゲラを持っていって、夫に読んでもらおうと思う。

私は新刊、夫は論文。ずっと祈りながら、仕事をしている。

Photo: 挙式した教会のチャペル
Fifth Avenue, New York City

“義母のニューヨーク” への1件の返信

  1. いづみさま
    メールをありがとうございました。
    先ほど返信しましたが、届かなかったようです。
    パソコンからのメールが拒否されるような設定にされているのかもしれませんね。
    これをご覧になれるといいのですが。

     岡田光世

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