韓国人夫婦と再会 1+1=何?

 韓国を旅した時、「恥ずかしいから、撮っちゃダメ~」と奥に引っ込んだお店のおばさん。そのあとまた出てきた時に「撮っちゃうよ~」と言ったら、こんなに素敵な笑顔💛

3日前に東京・清澄白川の深川めしのお店で出会った韓国人夫婦。上級国家公務員だった妻は、2年前に早期退職して以来、日本が大好きで、毎月、日本を訪れているという。ビジネスマンの夫は、日本人に好感を抱いていなかったが、日本を訪れて印象がまったく変わった、と言っていた。
あのふたりともっと話してみたいと思った。女性が何気なく口にした滞在先のホテルの名前を覚えていた。

お互いの名前を漢字で書き合ったが、読み方はわからない。
4日ほど日本に滞在していると、話していた。まだいるかどうかわからなかったが、出会った翌日(おととい)の夜、ホテルに電話してみた。
前日、ちょっと話しただけ、とフロントの人に伝えたら、電話をつないでもらえないかもしれないと思い、「韓国から来られている、滞在客のご夫婦と話したいのですが」と、ふたりの名前を告げた。
夫が稼いでくれるから、日本に来れるのよ、と女性が笑いながら言っていたので、ホテルの予約はたぶん夫の名前では、と思い、夫の名前で調べてもらったが、アルファベットの綴りがわからなかったり、その名前でほかにも滞在客がいたりで、ホテル側は部屋を特定できなかった。
念のため、妻の名前で調べてもらうと、すぐにわかった。部屋に電話をつなぐと言ってくれたが、なかなか相手が出てこない。
数分して、ようやく男性が英語で電話に出た。暗く、怪訝そうな声だ。昨日、深川めしのお店で会ったと話すと、「ああ!」と驚きの声をあげた。
2日後(今日)に韓国に戻るというので、昨夜、ホテルまで会いに行った。
到着したら、フロントから部屋に電話してもらおうと思ったら、ふたりはフロントの入口に立って私を待ってくれていた。
「いやあ、あなたの電話には、本当にびっくりした!」と開口一番、ふたりが笑って言った。
「フロントから電話があって、日本人の女性から電話が入っています、と言われたんだけれど、僕たちは日本人に知り合いはいないから、何かの間違いだ、って何度も言って、電話に出るのを拒否したんだよ」と男性が大笑いする。
「そうよ。この人、きっぱりと、かなり激しく抵抗してたのよ」と妻もくすくす笑い出す。
「でも、また会えて、嬉しい」と喜んでくれた。
近くの店でふたりはアサヒビールの生、私はコーヒーを注文し、日本について、韓国について、日韓関係、お互いのことなどについて、2時間ほど楽しくおしゃべりした。
妻が話していると、妻の英語を私が理解していないのではないかと夫が心配し、わかっていると伝えても、ちょっと待って、とカウンターに走り、どこからか紙の束とマジックペンを持ってきて、まるでビジネスのプレゼンでもするように、走り書きして、私に説明する。
英語なので、夫が話しながら次の言葉を探していると、妻が代わりに説明しようとする。と、夫は「いいんだ、僕が話すんだ!」とやり合っていて、微笑ましい。
「日本に来るまでは、日本人は同じアジア人で容姿も言葉も僕たちと似ているし、日本人のことなんて完璧にわかってる、と思ってたんだ。でも、まったく違うんだよ」
そう言うと、夫はマジックペンでこう書いて、楽しそうに笑った。

 日本 1+1=2
韓国 1+1=2or3
中国 1+1=2、3……50

日本人がいかにきちっとしているか、を彼は伝えたかったのだ。
また、「日本」「韓国」と左右にそれぞれ表を作り、特徴を対比させて説明する。
日本人は他人がどう思うかが大事、韓国人は自分がどう思うかが大事。日本は感情を表さない。韓国人は感情が溢れ出る。日本人は人為的、韓国人は自然、日本人は時間や規則を守る。韓国人は適当…。
と、突然、店の人があわててすっ飛んできて、「それ、伝票なんですけど…」と困惑した顔で伝えると、韓国人の男性がメモしている紙の束を取り上げ、素早く別の紙の束と取り換えて去っていった。
私は恐縮してしまったが、彼らは伝票だろうと何だろうと、気にもしていない様子で(しかも、店の人に断りもせずに、勝手にカウンターから持ってきてしまった!笑)、熱く語り続けていたので、彼の説明する日韓の違いに、思わず「なるほど…」とうなずいてしまった。

*もちろん、韓国人と日本人の違いは、彼らの印象で、人にもよると思うけれど、ふたりの話はとても面白かったので、続きをいつかまた、書きたいと思います。人為的(artificial)、自然(natural)というのは、誤解を生むかもしれませんが、この夫婦は隅々まで考えて作られ、手入れされた日本庭園などを例に取って話していました。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください